2022年年頭に当たって

2022年が始まりました。昨年秋以降、新型コロナウイルスの感染は収束していくかのように思われましたが、変異したオミクロン株の感染が世界に広がりつつあり、日本にもその影響が出始めました。飲み薬の普及にも期待が持てますが、収束にはまだ時間がかかりそうです。

コロナ禍は長期化し、経済的格差がますます拡がっています。昨年11月に第2次岸田内閣が発足し、「成長と分配の好循環」に取組むとアピールしていますが、成長重視の経済戦略から抜け出せません。国内事業所の99%超が中小企業で、非正規雇用も多い社会構造であり、そのうえ人や企業・情報が首都圏に集中していることのリスクもあります。新たな価値を見出していく必要があります。

また、地球規模の気候変動危機に対し政府は「2050年カーボンニュートラル」を宣言しました。しかし、COP26で二酸化炭素の排出が多い石炭火力発電所の新規建設をしない方向が示されたものの、日本は消極的な姿勢です。宣言を掛け声倒れで終わらせないようにしなければなりません。大企業による原発と火力発電から脱却し、地産地消の自然エネルギーへの転換を加速させるべきです。エネルギー政策を転換し産業構造を変え、魅力ある地域作りを進めることが今こそ求められています。

私たちは地域に必要なサービスを生み出し、助け合いの仕組みを作ってきました。同じ考えを持つ人が集まり、出資し、働き、分配し、責任を持って運営するワーカーズ・コレクティブという働き方を進めてきました。今秋に施行される労働者協同組合法に注目しながら、地域に自分らしく働き・暮らす環境を整え、セーフティネットの層がぶ厚い豊かな地域社会を目指していきます。