11月5日に行った、鎌倉放射線測定報告会 および 学習会にて、市民科学研究室の上田昌文さんの第一声に、会場では一応に安心の気配が広がりました。測定中の放射線の数値から、ミニホットスポットをどうするかであろうと考えていた我々も、確認の意味で安心しました。前回6月30日の学習会で上田さんから、市民がいろいろな場所で細かく調査することが必要であるという提言を受け、8月末から250か所以上行ってきた放射線市民測定に一定の結論が出た形です。
今後考えなければならないのは、食物と呼気による内部被ばくです。春先に若葉であった野菜類、麦、キノコ、ベリー類、お米は産地の確認が必要とのことでした。土壌汚染の問題は、植物の根からの移行率が1/100〜1/1000とのこと、さらに水洗い、熱処理などでかなり放射線量は軽減されます。しかし、セシウムが存在するところ、ストロンチウムはその1/1000は存在するといわれることから、土埃から吸収される特にストロンチウムの内部被ばくに注意が必要です。骨に付着し、体外放出されないので、一生涯被ばくし続けます。まずは、活動をするその近辺の放射線量を測ること、そして、子ども達の秋の重要な遊びである枯葉遊びは、今年はさせないほうが無難であるとのことでした。
原発が現状の状態であれば、今後、放射性物質が増えることはないものの、処理の仕方が問題です。ミニホットスポットとされたところの土壌をどのように処分するのか、民地の場合は個人に任された現状です。自分の前からなくなっても、半減期が長いことから、どこかに移動しています。下水汚泥などで、最後には自治体が処理することになるのであれば、鎌倉独自に処理基準を明確にし、民地であっても、高濃度になった放射性物質を含んだものは、まずは行政が対処すべきです。また、食べるものからの放射性物質の摂取をできるだけ控えられるように、市民がいつでも利用できる食品の検査機器を設置すべきです。
自分たちの生活や子どもたちを守りたいと願う多くの市民がいます。神奈川ネットにも、測定器を借りたいという市民からの要望が多く届けられます。市民の安全安心を担保することが最も行政に求められる中、鎌倉の対処は余りにも遅速です。国からの指針を待つまでもなく、独自基準で対応し、それを国に働きかけていくべきです。福島には福島の、鎌倉には鎌倉の地域に合った対処の仕し、市民の不安に応えることこそ、地方自治の原点ではないでしょうか?