カジノ・ニューヨークからの警告
カジノを考える市民フォーラム第3回が12月21日に開催されました。2019年8月22日に、林文子横浜市長が山下埠頭へのIR誘致を正式表明したことに対して、横浜市内の各地で、反対する市民の動きが活発化しています。誘致の是非を問う住民投票の実施や市長の解職を求める直接請求に向けての大きな動きに加え、フォーラムや学習会を重ねる草の根の動きが連動しています。今回のフォーラムは、カジノ建築を手掛けてきた村尾武洋さんがゲストでした。
25か所のカジノ施設をデザインした村尾武洋さんの話はリアルでした。お客さんが外に出ないように、賭けをやめないために様々な工夫をするそうです。例えば、窓を作らず歩く方向を複雑にしてゲームに向かわせる。時計を置かず、時間の感覚を失わせる。ベンチを置かず、ふと座ったところにスロットマシーンがあって、ポケットのコインを入れてボタンを押してしまうというシチュエーションを作り出す。時折勝っている音をスピーカーで流す。プレイヤーの指先の動きを写すようカメラを設置する。誘惑する要素をたくさん作りだすわけですね。
スロットマシーンは、1日500万円の収益を上げるようにセッティングしているそうで、初めから利益が上がる仕組みになっているということです。つまり、市民がそれだけ負けることが前提。
ラスベガスはカジノがあることで繁栄しているが、他はそうではなく、フィラデルフィアなどは、カジノ周辺は暗く嫌な雰囲気になっているとのこと。アメリカではもう作るところがなくなり、次のカジノ投資家グループのターゲットは日本ということか。国は、カジノを含むIRの整備を可能にする法律を作りましたが、カジノは賭博。賭博の儲けで潤いを目指すまちづくりでは、子どもたちに恥ずかしくない未来の展望は描けません。80キロ圏内は影響下と言われ、鎌倉市も他人事ではありません。自分たちのまちづくりを市民が真剣に考えるときです。(三宅真里)