2010年度は、ごみ処理施策が最大の問題でした。市長は、生ごみを資源化するバイオマスエネルギー回収施設建設を一から見直しとマニフェストに掲げていました。しかし、「自分の中でまだ結論に至っていない」という理由で、施設建設に向けての経費2600万円を予算計上し、執行までしました。ところが、その後、施設を造らない方針に変更し、施設建設に関わる国からの補助金の申請を取り下げ、884万円を無駄にしました。生活環境審議会の意見を聞かず、議会への報告もなく、市長の独断で行ないました。ビジョンなき市長の政治姿勢によって、鎌倉市のごみ行政は停滞し、税金の無駄使いを引き起こしたことは明白で、政治責任が問われます。
副市長人事は天下り容認
今年5月から国交省の役人が、市長が新設した政策創造担当の部長職で鎌倉市に来ています。市長は議会で、当初から国交省には副市長でと言われていたと答えており、天下り容認の発言です。また、その人が副市長になるために、退職金の扱いについて、緊急に条例提案がありました。今回は、国との人事交流であり、交流期間が終了すれば国に帰ることが前提ですが、期間の定めはありません。条例では、帰る場合、市は退職金を支払わなくてよいという内容です。しかし、帰れない事情が発生した場合は、国での勤務期間も通算して市が支払うということになり、3000万円という試算がされています。また、国交省の役人を副市長にする目的について、総務部長ですら答えられず、市役所内の意思統一が全く見られません。市長の独断で決められ、職員の士気は下がる一方です。
地方分権、地域主権という大きな流れの中、独立性の高い鎌倉市が今なぜ国とのつながりを必要とするのか、理解できません。この条例が出来ることにより、今後国からの天下りの要請が増えることが懸念されます。その先鞭を付けるような条例に議会の多数が賛成したことも、考えられないことです。