名越クリーンセンターでの焼却は停止、鎌倉のごみはどこへ?
鎌倉市唯一のごみ焼却場、名越クリーンセンターは1月25日の朝、焼却の電源を切り、稼働を停止しました。「鎌倉市・逗子市・葉山町ごみ処理広域化実施計画」に基づき、逗子市の環境クリーンセンター(逗子CC)で鎌倉市の可燃ごみの焼却が始まります。
逗子CCの焼却可能量は年間20,000tで、焼却量の合計から逗子市・葉山町の焼却量を差し引いた残りが鎌倉市の可燃ごみの受入れ量とされ、委託量の上限は両市が毎年度協議して定めます。2025年度の鎌倉市の可燃ごみの推定排出量は22,000t。逗子市に約9000tの処理を、市外の民間事業者や別の自治体に残りの分の処理を委託します。
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1982年竣工の名越クリーンセンター。焼却施設の除却後、燃やすごみの市外搬出のための中継施設が作られる。
12月議会では、茅ケ崎市と協定を結んだことも報告されました。25・26年度に最大4,000t/年の焼却を委託します。市内で収集したごみを大型車に積み替えて市外に搬出する中継施設を名越に整備しますが、整備工事中は今泉CCの中継機能の延長で対応します。しかし、おそらく今泉CCでの受け入れ可能量を超えることと、道路事情により車両の台数を制限する必要があり、今泉を中継せずにパッカー車(収集車)で直接搬出できるルートの受け入れ先として茅ケ崎市にお願いすることになったものです。(他の委託先自治体については2月議会で報告がされる予定であるため、2月10日発行のネット鎌倉の「まちづくりレポート」では自治体名を書きませんでしたが、神奈川新聞は本日2月4日の記事の中で報道しています。)
名越CC稼働停止後は自前の焼却施設を持たず「ごみ処理広域化」に活路を求める鎌倉市。計画の中身は複線化して相互に関係しあうため、どこかが予定どおりに行かなくなった場合の不安定さは否めず、常に綱渡り状態です。2025年度は戸別収集が先行地域でスタートしますが、戸別収集によって分別が徹底され燃やすごみの減量が進むのか見通しが立ちません。ごみ処理は、自治体の自治事務であり、多額の税金が投入されます。市民の毎日のごみ出しが安心できるものであるよう、鎌倉市のごみ処理施策に目を光らせていかなければなりません。