燃やすごみの戸別収集開始に向けて

 来年の4月から一部地域での家庭系燃やすごみの戸別収集が開始されます。先行実施される地域は、以前にモデル実施した地域や、焼却施設があり長年ごみ施策に協力してきた地域が選ばれています。多額の費用を必要とする事業ですが、市はクリーンステーションでの様々なトラブルへの対策や高齢化の進む鎌倉市での市民負担軽減、燃やすゴミの減量等を理由としています。
 以前、モデル実施した地域では、戸別に収集ボックスを敷地内に設置し回収していましたが、いくつか課題もありました。例えば、坂道の家では強風や台風の時などにはポリバケツが風で飛ばされていました。紐で結わえるか重しを入れる等しっかりと固定することが必要ですし、収集後もふたを閉めていただく必要があります。

藤沢市の戸別収集(2024年4月)

藤沢市の戸別収集(2024年4月)

また、今回は燃やすごみの収集だけですが、将来的に容器包装プラスチックなどの資源物も回収するかによって、収集ボックスの大きさも変わってきます。説明会の時には、将来的な方針も示していただきたいものです。収集車が入れない地域では、収集する人の負担も大変大きくなりますが、そうした場合の対応も大丈夫なのでしょうか、猛暑の夏など気になるところです。

葉山町の戸別収集(2024年1月)

 また、先々容器包装プラスチックも戸別収集となれば、現在各クリーンステーションで使用しているネットボックスは不要となりますが、その処分をどうするのかも課題です。市が収集業者などを紹介するとか処分方法を示すなどの丁寧な対応が求められます。
 一方、ふれあい収集はどうなるのでしょうか。戸別収集を開始しても、ぜひ継続してほしいと考えます。市内には高齢独居の世帯も増えており、現状でも家の中まで入って対応している例もあると聞きます。玄関先に出すことさえ困難な世帯もあり、ゴミ屋敷を作り出さないためにも大切な施策と思います。
 今回の戸別収集は民間事業者への委託を考えているようですが、今後日本全体で労働人口が減少する中で、3Kの職場であるごみ収集に安定的に人材が確保できるのか懸念されます。名越の焼却施設の使用停止が迫る中で、燃やすごみの減量が喫緊の課題でしょうが、ごみの収集は市民生活に直結する重要な事業です。慎重で丁寧な対応を望みます。(C.M.)