ケアラー支援学習会~鎌倉市もケアラー支援条例を策定中~

10月14日、鎌倉ユニット主催で「ケアラー支援について考える」学習会が開催されました。講師は、日本ケアラー連盟理事の中嶋圭子さんで、保坂令子市議のコーディネートです。ケアラー連盟は2010年に結成されました。障害児のお父さんが「娘への支援はあっても支えている人へのサポートがない。」と言われたことが発端になったそうです。当時、海外ではすでにケアラーを孤立させないための支援が行われていましたが、日本は立ち遅れており、未だに社会全体でケアラーを支えるしくみは整っていません。

ケアラーは全世代にわたって多様であり、ケアが長期化すれば疲労や生活困窮に陥ることが多くなります。社会的に孤立しやすく、虐待を経験し、鎌倉でも命を絶つ事件が発生しています。「ケア責任を引き受けるのは家族」という認識ではなく、社会・地域が直面する課題として捉えていく必要があります。

また、生産年齢人口が減少する中で、働き盛りの介護離職やヤングケアラーの学業断念や非正規雇用化は、貴重な労働力の損失でもあります。経済産業省は「ビジネスケアラー」調査(対象は大企業の正規就労者のみ)を行い、2030年には438万人がビジネスケアラーになり、離職や労働生産性の低下による損失は9兆円と試算しているそうです。ケアラー支援は、持続可能な社会・経済の実現につながります。

地方自治体では、現在18の自治体でケアラー支援の条例を作っており、鎌倉市も策定中です。素案ができて10月2日から31日までパブリックコメントを行っています。
https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kyosei/carer-shien.html

ケアラーの心身の健康と生活を守りその人らしい人生を支えるため、個別支援と社会的支援を絡めた具体的な支援策を明示し、確実に推進できる体制作りを提案していきます。(三宅)