参議院選挙で問われたもの

参議院選挙の結果がすべて出ました。
自民党が選挙区45、比例代表18の計63議席を獲得し、改選議席125の過半数を確保。
憲法改正に前向きな自民・公明・日本維新の会・国民民主党の4党の獲得議席は93議席で、非改選議席と合わせて憲法改正の発議に必要な参議院全体の3分の2(166議席)を上回る177議席となりました。

神奈川ネットワーク運動・鎌倉は、今回の参院選の最重要課題は改憲をめざす勢力の議席伸長に歯止めをかけることだと考え、神奈川県選挙区で立憲民主党の水野もとこさんを推薦し、応援しました。水野さんは、定数4+補欠選挙の議席(任期3年)の計5議席をめぐる争いで、5位で当選(任期3年)することができました。

しかし、改憲阻止の立場の野党の改選議席の増減を見ると、立憲民主党が23から17に、共産党が6から4に減らしました。社民党は1議席を維持しました。

有権者の関心が、憲法を守って「戦争ができる国」にさせないことに向かなかったことが残念です。また、ウクライナ情勢の影響を受けた物価高騰やエネルギー安定供給の課題から原子力発電への回帰が進むことが懸念されるなかで、推進派が議席を伸ばしてしまったことにも警戒の念を強めています。

比例代表では日本維新の会が立憲民主党を1議席上回りました。「身を切る改革」を標榜しながら弱者切り捨てにつながる行革の断行を身上とし、改憲に前のめりな政党です。
今回は、Web空間での発信と動員に長けた諸派も、議席を獲得しました。
有権者の間には、その団体の政治信条・政策全体からうかがい知れる価値観ではなく、複数示された主張の1つでも気に入れば支持するという投票行動が、これまで以上にあったように見えます。
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「今の政治状況のままではいけない」「今、政治をやっている人たちは信用できないし、身近に感じられない」と考えている人たちの受け皿が不足しているのは事実です。

でも、それ以上に深刻なのは、低下の一途をたどる政治リテラシーの問題です。
「今の政治状況ではいけない」「私は社会の中で不利益をこうむっている」と考える人が、政治状況をより悪くし、不利益をこうむる社会構造を助長する選択をしないようにする政治リテラシーを広げる必要があります。

神奈川ネットワーク運動は小さな地域政党ですが、政治を暮らしの身近なところに引き寄せ、政治リテラシーの土壌を耕す活動を続けていきます。

参院選結果(NHK特設サイトより抜粋)