米ラスベガス・サンズ 日本での事業参入を断念

横浜市が誘致を進める、カジノを含む統合型リゾート(IR)への有力候補とされていた米ラスベガス・サンズ社が、日本での事業参入を断念すると12日付で発表しました。サンズは、日本での事業に大きな商機を見込み、ラスベガスやマカオ、シンガポールと同様、カジノとホテル・会議場を含む統合型リゾートに100億ドル(約1兆700億円)の投資を計画していました。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によって客足が減少し、米国とシンガポールのIR施設は閉鎖に追い込まれ、業績が落ち込んだことが影響したと見られています。

横浜市の林市長は、12日から開催中のコロナ対策のための臨時議会で、「経済活性化をしていざという時のために余力を作っていかなければならない」とし、逼迫する財政を立て直す方策の一つとしてIRを位置付ける考えを改めて示したばかりです。また、菅義偉官房長官は13日午後の記者会見で、「個別の動向についてコメントをすることは差し控えたい」とした上で、「IR整備に向けた基本的スケジュールに変更はない」「観光立国を目指すわが国にとっては不可欠」と引き続き整備に向けて意欲を示した。と報道されました。

世界規模で新型感染症が急速に蔓延しているという事態から、林市長や菅官房長官が言うインバウンド頼みの経済活性化やグローバリズムへの過度な傾倒は、まちを活性化させるどころか、不安材料ばかりが浮き彫りになっています。カジノ事業は、呼び込んだ客の掛け金で儲けを出し運営するもので、自治体がその儲けによって入る税収を当て込むこと自体、健全ではないと言わざるを得ません。

神奈川ネットでは、「国に対しカジノを含むIR推進の中止を求める署名」を5月15日まで行っています。私たちが暮らす社会にカジノは要りません。