生活と基地が隣り合わせの危険

厚木海軍飛行場に近接の公園施設他。富士山が見えてナイスビューの立地。

2020神奈川の基地を知るピースリングツアー・県央コースに参加しました。神奈川ネットと市民による人間の安全保障研究会の共催です。厚木海軍飛行場・キャンプ座間・相模総合補給廠のコースを回りました。

厚木海軍飛行場は、綾瀬市、大和市、海老名市の3市にまたがっています。延長約2,400m×幅約45mの滑走路があり、陸上自衛隊との共同使用区域となっており、基地周辺の住民は爆音に悩まされ、訴訟が続いています。この日は自衛隊の飛行機が飛び立っただけでしたが、原子力空母ロナルドレーガンが横須賀港に入港する前には艦載機が厚木基地に飛来し、離着陸を繰り返す「タッチアンドゴー」の訓練が激しくなるそうです。ジェット燃料が飛び散り、大和ゆとりの森公園の遊具は開園前にふき取っているとのことでした。油・部品の落下もあり、オスプレイも修繕のために飛来します。この日も公園では子どもたちがたくさん遊んでいました。憂うべき事態が日常生活の中に溶け込んでいます。

キャンプ座間は、在日米陸軍の中枢部があり、航空写真で見るとペンタゴンの形をしています。周辺ではヘリコプターの騒音被害が続き、相模原市と市民による協議会が、長年国に対策を求めています。2019年11月29日には、米軍ヘリコプターの強風で近接住民の屋内の調度品が飛ばされて壊れた事故があり、今回その当事者・野口さん宅に伺いました。米軍が野口さん宅との境付近の木の上方を切った時に、何本かはそのまま切らないでもらったそうです。これ以上低空飛行になるのは危険だから。住宅街の低空飛行は危険そのものであり、一刻も早くやめさせ、国民の命と財産は守られなければなりません。

相模総合補給廠は、広大な敷地に倉庫がぽつぽつと立っています。修繕中で足場が組んであるところもありましたが、屋根も壁もボロボロの建物が目立ちました。野戦病院セット・戦場用資材・在日米軍生活必需物資などの保管、危険廃棄物の保管、不要となった車両・軍用車などは放置されているように見えました。人の気配はなく、不気味な感じは拭えませんが、ここが静かなままで、活気づかないことが大切なんだと思います。

昨年11月には、神奈川の基地を知るピースリングツアー横浜・横須賀コース、今回は県央コースと、引き続き参加しました。神奈川県は沖縄に次いで基地が多くあります。湾岸戦争の折には横須賀から戦争に向かっていきました。基地は戦争につながっていることを思い知ります。私の叔父たちは3人戦争で亡くなっています。若い命が奪われる戦争という過ちを二度と起こさないために、歴史も現状も知り、伝えていくことが大切です。(三宅)

野口さん宅の屋根のすぐそばをヘリが飛ぶ。だから、家の際の木は切ってありません。