「命の水」の拠点、西谷浄水場を訪

11月22日、ネット鎌倉の企画で横浜市の 西谷浄水場と隣接の水道記念館を見学をしま した。
鎌倉市は県水道の給水域で、西谷浄水場は横浜市水道ですが、浄水場の仕組みや近代水道の歩みを知るには好適な施設です。

あいにくの冷たい雨。近代水道の歴史を感じる右手の上屋は登録有形文化財

西谷浄水場は相模湖を水源とし、浄水能力 356,000 ㎥ / 日を持った水道施設です。広大な敷地には沈殿池 4 池、急速濾過池 26 池があり、浮遊物の凝集処理を経て、砂と砂利の層を通り、みるみるう ちに原水の透明度が増していくのは圧巻でした。

「できたての水道水」を試飲しましたが、原水を鎌倉市の水道水よりも川の上流から取水している分、まろやかな気がしました。

日本は世界にまれな皆水道の国といわれ、水質は つねに高度な管理基準のもとにおかれています。国 は 51 項目の基準を設けていますが、横浜では独自項 目を含め 120 項目のチェックを行っています(県水道も同様とのこと)。浄水場 には災害時の対応として自家発電設備があり、市内には災害用地下給水タンクが要所に設置され、非常時に備えています。私たちの水は、多くの仕組みや丁寧な検査によって守られていることを実感しました。
昨年、国は審議不十分のまま改正水道法を成立させ、 民営化への道を開こうとしています。海外では利益優先の企業によって、利用料金の高騰、安全の軽視、サービスの低下等となった国も多くあります。「蛇口をひ ねればいつでも飲める命の水」を市民社会の大事なイ ンフラとして守っていかなければと強く思いました。(M.T.)