武田薬品研究所 実験動物焼却施設

周辺環境へのリスク軽減に向けて

 大船駅から藤沢駅に向かうJRの車窓からも武田薬品の巨大な研究所の姿が見えるようになりました。この研究所には、遺伝子組み換え操作した病原体を使って大量の動物実験をする研究室も設置される予定であり、鎌倉市寄りには、日量1.8トンの動物焼却炉が計画されています。この焼却炉は住宅地の至近距離に設置されることになっており、周辺には特別養護老人ホームや病院 (建設中)、保育園などもあり、人体への影響が大変懸念されます。他の廃棄物と同様に動物の死骸も適正な処理業者に委託すべきです。

ペットの焼却は受け入れている自治体でも、実験動物の焼却は「市民の公衆(精神)衛生」を理由に拒否している状況があります。国立感染症研究所、国立食品衛生研究所、神奈川県衛生研究所などでは、自施設内で焼却せず、外部に委託して処理しています。実験動物の焼却施設については、狭い意味での「公害・環境対策」に留まらず、公衆(精神)衛生の観点から「300m以内に住宅地がないこと」という立地条件規定を準用すべきと考えます。

鎌倉市議会には昨年12月、周辺住民から武田薬品新研究所の実験動物焼却炉施設の安全措置を求める陳情が提出され、採択されました。これを受け、市は武田薬品に、説明会開催と住民とのコミュニケーションを図ることを要請しましたが、説明会は実施されず、ダイオキシン規正法に基づく焼却炉の設置届出が1月29日に提出されてしまいました。

そこで、今回こうした問題に長年取り組んできた新井秀雄さんをお招きし、バイオ研究施設の排出物資 (排気・排水・焼却など)について、実験を行なっていた化学者の立場からお話しいただき、どうしたら周辺環境へのリスクを軽減することができるのかを共に考えます。ぜひ、ご参加ください。
問合せ先 TEL/FAX 0467-42-8636 (ネット鎌倉事務所)