電磁波過敏症の患者が世界中に相当数いるとされている中、WHOでも、電磁波が皮膚症状や神経症状などの発症の原因となることを認めています。
◆ゆるい日本の基準
EU諸国では、「21世紀の公害」といわれ、電磁波と健康被害への疫学調査を進め、独自に規制
する国や自治体も増えています。
送電線から発生する電磁波を常に受けていると、小児白血病の発症率が高くなるという報告があります。また、イギリスでは、影響を受けやすい16歳以下の子どもには携帯電話の使用制限をしています。
しかし、日本では、EU諸国に比べ基準も緩く、対策にも全く予防原則の考えが入っていません。個人で電磁波対策をするには限界があり、国や自治体として規制する必要があります。
◆担当部署設置が実現
鎌倉市でも、知らない間に設置されていく携帯電話基地局からの電磁波に対する不安が募り、紛争なども起きています。由比ガ浜の住民からは、体調不良を訴え、基地局撤去を求める陳情が出されました。
ネット鎌倉は、市に対応する担当部署がないことを指摘し、早期設置を強く求めていたところ、09年4月に実現しました。
◆素案に意見募集中
携帯電話およびPHS基地局設置に関する条例制定を求める陳情が08年9月議会に出され、全会一致で採択されました。これを受け、09年12月議会に条例素案が出されました。主な目的は紛争を未然に防ぐこととなっていますが、子ども関連施設近くでの基地局設置については「特別な配慮が必要」との記載のみです。また、既存の基地局に対しては言及されていません。もっと踏み込んだ規制が必要と考えます。
市は1月20日まで広く意見募集しています。実効性のある条例にしていくために、ぜひ意見をお寄せください。
(市議 太田治代)