エネルギーを地域で創る

子どもたちに未来を託すために

 6月議会で、「鎌倉市省エネルギーの推進と再生可能エネルギー導入促進に関する条例」が、神奈川ネット主導の議員提案で制定されました。

 神奈川ネットは長年、公共施設の太陽光発電設置など自然エネルギーの導入を提案してきました。特に、3.11以降、まずは市町村からエネルギー政策の転換を図る必要性を感じ、その後押しとなる条例策定に取り組みました。提案するにあたり、各方面のエネルギー政策の専門家を招いて学習会を重ね、条文の内容についても専門家の助言や市民からのパブリックコメントを頂きました。また、事業者にヒアリングを行い、省エネルギーを進めながら商店街の活性化につながる積極的なご意見を頂いています。

 条例の趣旨として、まずは、ネガワットの概念を取り入れ、徹底した省エネを図ることです。しかし、市民や事業者に無理を強いるものではありません。負担をかけずに取り組むことで、ひいては省エネにつながるような方法を提案します。

ネットの提案1. 電気は照明とエアコンで多くを消費します。まずは、大きな施設の照明器具をFH管など省エネタイプに取り替え、エアコンを電気からガスヒートポンプ式に替えることで、電気の消費量と経費の大幅な削減ができます。特に市庁舎や学校、図書館など、まだ省エネ可能な公共施設が鎌倉市でも数多くあります。
ネットの提案2. さらに、中長期的には、再生可能エネルギーの導入を進めていきます。鎌倉では、バイオマスや太陽光での発電、また、最近では注目のスカイツリーでも導入されている地中熱発電なども有効です。これから始まる深沢JR跡地の再開発や大船中学校の改築でも、空調設備に地中熱発電を積極的に導入すれば、電気消費量を抑えることができます。

 今回、エネルギー条例が制定されたことにより、一層こうした取り組みを全市的に進めることができます。条例では、基本計画と実施計画の策定も義務付け、エネルギーの地産地消を数値も含めて実効性のあるものにします。

 こうした取り組みは、根底に原発に依存しない電力供給をめざすまちづくりがあります。福島原発事故からの放射能は、未だに広範囲に影響を与え続け、鎌倉でも学校・子ども施設での除染の取り組みが続けられています。今後長年にわたり処理し続けなければなりません。半ば容認してきた原発依存に対する大人たちの責任を明確にし、子どもに未来を託せるまちづくりにつなげます。