鎌倉に津波がきたら

鎌倉消防災害支援報告と津波想定ミニフォーラム開催

 阪神・淡路大震災を教訓に、鎌倉市でも「地域防災計画」が作られていますが、3.11東日本大震災を受け、大幅な見直しが迫られています。あらゆる条件を想定し、災害に備えていく必要があります。そこで、鎌倉市に津波がきた場合を想定し、とっさの行動を考えるきっかけになるよう、ミニフォーラムを開催しました。

 フォーラムに先立ち、3月11日から合計11日間、東日本大震災の救援活動に参加した、緊急消防援助隊に報告をお願いしました。横浜市のスーパーレンジャーとともに、車両の中や建物の上にいる人を発見し救う活動です。気温0℃以下の地で、住民、被害者等の情報が全くないまま、目印すらない瓦礫の中のローラー作戦です。たびたび起こる余震の中、人力では踏み込んだ捜索が不可能な、自ら志願したとはいえ、精神的にも肉体的にも苛酷な状況での活動だったとのことでした。そして、救急救命隊に参加した隊員は、普段の当たり前の生活のありがたみを感じ、人々の日常生活を守るのが自分たちの使命だと力強く話しました。

 次に、総合防災課の話を聞きました。神奈川県の防災計画は、マグニチュード7の南関東地震による5〜6メートルの津波を想定しています。今、県では基準の見直し作業を行なっており、今年度中には新たな基準が策定されることになっています。しかし、文科省地震調査委員会では、三浦半島断層群における地震発生確率が高まったとしており、地震の発生はいつどこでも起こりえます。市役所の標高は11メートル、八幡宮で13メートルです。もし、10メートルを超える津波がきたら…と考えると、猶予はありません。

 県の基準を待つことなく、現在の津波ハザードマップを活用し、地震・津波の具体的な想定を行ない、市民に説明する機会を増やすべきです。

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